国政と市政(県政)の違いから分かる市政(県政)の魅力とは? ~地方選挙の供託金は地方で独自に決めることができるか?~
千葉・市原出身|36歳・3児の父
弁護士兼政治家の大すきゆうやです。
千葉県知事選挙・千葉市長選挙が佳境です!
先日、人生で初めて街頭演説を聴いてきました。
子供たちを妻にみてもらって、自宅近くの駅で聴いてきました。
事前に質問も募集していたので、せっかくですから応募してきました。
が、
特に取り上げられることはありませんでした。
街頭演説を聞いても特に誰かの質問を取り上げている感じもありませんでした。
(チラシの掘り下げ・繰り返しという感じでした)
街頭演説の前後に個別に質問する機会もあったのですが、質問への回答というよりかは、写真撮影会の様相がメインで、「なんだかなぁ」という感じを受けました。
聴衆はご年配の方々が多く、現役世代はほぼいなかったように思います。
子供たちをみてもらった妻に対して申し訳ない気持ちを持って帰路につきました。
さて、本日の本題に入ります!
本日は、条例制定権によって、地方選挙の供託金の引き下げが可能か?
を検討していきます。
まず、前回お伝えした条例制定権の限界を再掲します。
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【徳島市公安条例事件(最高裁昭和50年9月10日大法廷判決)】
「条例が国の法令に違反するかどうかは、両者の対象事項と規定文言を対比するのみでなく、それぞれの趣旨、目的、内容及び効果を比較し、両者の間に矛盾抵触があるかどうかによってこれを決しなければならない」、「例えば、ある事項について国の法令中にこれを規律する明文の規定がない場合でも、当該法令全体からみて、右規定の欠如が特に当該事項についていかなる規制をも施すことなく放置すべきものとする趣旨であると解されるときは、これについて規律を設ける条例の規定は国の法令に違反することとなりうるし、逆に、特定事項についてこれを規律する国の法令と条例とが併存する場合でも、後者が前者とは別の目的に基づく規律を意図するものであり、その適用によって前者の規定や意図する目的と効果を何ら阻害することがないときや、両者が同一の目的に出たものであっても、国の法令が必ずしもその規定によって全国的に一律に同一内容の規制を施す趣旨ではなく、それぞれの普通地方公共団体において、その地方の実情に応じて、別段の規制を施すことを容認する趣旨であると解されるときは、国の法令と条例との間にはなんらの矛盾抵触はなく、条例が国の法令に違反する問題は生じえない」
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要するに、ある事項を規律する法令と条例が並存する場合でも、①条例が法令とは別の目的に基づく規律を意図し、条例の適用により法令の規定の目的・効果を阻害しないとき、②法令と条例が同一の目的であっても、法令がその規定により全国的に一律に同一内容の規律を施す趣旨ではなく、地方の実情に応じて別段の規制をすることを容認する趣旨であるときは、法令と条例は抵触しないという基準を述べています。
それでは、条例制定権によって、地方自治体が供託金を引き下げることは可能でしょうか。
例えば、千葉県知事選挙に立候補する場合の供託金は300万円です(公職選挙法92条4号)。
仮に、これを引き下げやゼロ円とする条例を制定した場合に、当該条例は、「法律の範囲内」で制定された条例といえるのでしょうか?(憲法94条)
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なお、法律的に整理すると、徳島市公安条例事件(最高裁昭和50年9月10日大法廷判決)は、条例による「規制」について判断した判例であり、条例による「規制緩和」について判断した判例はありませんが、徳島市公安条例事件判決の趣旨(考慮すべき事情)は、条例による法律の規制緩和の場面においても妥当することを前提に検討していきます。
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この点、地方公共団体は、地域における事務につき、法令に違反しない限りにおいて、条例を制定することができると規定します(地方自治法14条1項、2条2項)。
また、「地方公共団体に関する法令の規定は、地方自治の本旨に基づいて、かつ、国と地方公共団体との適切な役割分担を踏まえて、これを解釈し、及び運用するようにしなければならない」とも規定しています(地方自治法2条12項)。
この点、公職選挙法の供託金制度の趣旨は、売名目的の立候補を排除する点にあります。
しかしながら、供託金制度により制限されている被選挙権(選挙に立候補する権利)は、憲法15条1項の保障する選挙権の自由な行使と表裏の関係にある極めて重要な権利です(最高裁判所昭和43年12月4日判決・刑集22巻13号1425頁参照)。
また、特定地域の選挙につき、当該地域の住民が立候補の促進によるメリットを期待し、売名目的による立候補の増加の可能性というデメリットを甘受するのであれば、地域住民の意思決定を国家が排斥する合理的な理由は見出し難いです(団体自治・住民自治)。
被選挙権の重要性、地方公共団体の地域事務に対する主体性に鑑みると、地方公共団体において、供託金を引き下げ・廃止することにより、被選挙権の行使を促進し、もって、経済的余裕の有無にかかわらず、公職の候補者として選挙に参画する機会を拡張する条例の制定を公職選挙法が禁ずる趣旨であるとはいえず、公職選挙法の都道府県知事選挙における供託金300万円という規定は、都道府県知事選挙における供託金制度の「一応の基準を定めたものに過ぎない」と解釈できますから、当該都道府県において、条例により、当該都道府県の選挙につき、公職選挙法の規定する供託金の額を引き下げ・廃止することは、「法律の範囲内」で制定された条例として合憲・合法といえるのではないでしょうか。
以上
あくまでも架空の条例をもとにした話ではありますが、条例制定権による市政・県政の魅力について私が考えているところを是非ともお伝えしたく、発信させていただきました!
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